建築データ
構造規模 木造(新在来工法)・2階建て
延床面積 115.51㎡(約35坪)
工事期間 令和5年5月~11月(約7ヵ月)
Replan北海道vol.145掲載
「自然が身近にあるニセコでは、家族で外に出て遊ぶことが休日の楽しみ」と語るAさんが、将来に備えて雑木林に囲まれた土地を購入したのは10年ほど前のこと。「外に向かって大きく開きながら、厳しい自然環境から暮らしを守ってくれる家を建てたいと思いました」。Aさんのその願いを叶えたのが、ニセコにも事務所を構えているSUDOホームでした。
Aさんの要望で、玄関続きに床暖房を採用した広い土間を設えた。スノーボードへ出かける準備も後片づけもここで完結でき、濡れたシューズやウェアもよく乾く。シンプルな用具棚はAさんの自作
敷地の雑木林を一望する大開口を設えた1階寝室。外に照明を設置し、ライトアップした雪の雑木林を眺めるのもAさんの冬の楽しみ
Aさんがまとめた要望書をもとに、SUDOホームは2階にLDKと子ども部屋、スタディコーナー、1階に土間と水まわり、寝室を配したファーストプランを作成。「どこも直すところがない提案で、より信頼感が増しました。プラン当初から予算が明確だったことも安心感がありました」。そう語るAさんは、毎日のように現場に足を運び、大工さんと仲良くなったといいます。「とても仕事が丁寧で、工事を進めながら照明の増減やスイッチプレートの位置などの微調整をしてくれたのが嬉しかったです」と、Aさんは振り返ります。
一部構造現しの4.5mの屋根なり天井が心地よい開放感を演出するリビング。スタディコーナーの上には、その高さを生かした約6帖のロフトが設けられている
2階リビングに隣接する家族共用のスタディコーナーには、たくさんの蔵書を収める本棚とカウンターデスクを造作
キッチンとつながる子ども部屋は、必要に応じて間仕切りができるように設えた。ロフトへの出入り口にもなっている
スノーボードが趣味というご夫妻が待ちわびる冬の訪れに先駆け、新居が完成。「住宅性能は標準仕様なのに、室内のどこへ行っても同じ温度で暖かいのに驚きました。冬の朝も早起きになって、ますます活動的になりました」と笑うAさん。雪に包まれた雑木林を2階から一望するリビングの大窓のそばに立っても、冷気を感じることがありません。「開放的なのに、ちゃんと守られている感じがします。目指したとおりの住まいが実現できました」。
しっくいの塗り壁、道産ニレ無垢材の床で整えられた2階リビング・ダイニングは、ご夫妻が願ったとおり自然との一体感を味わえる住まいの中心となった
壁に210㎜の断熱を施したことで窓台に奥行きが生まれた。「ここに腰かけて、降る雪や木々を眺めるひとときも格別」とAさん
自然の気配を取り込む大開口を随所に設けた新居は、屋根なりの高天井との相乗効果で、面積以上の広がりを感じさせます。「天井高を生かして設えたロフトや広い土間、敷地の木々や空を美しく切り取った窓。新居のあちこちに家族それぞれが楽しく過ごせる居場所ができ、おおらかな気持ちで日々暮らせるようになりました」。ニセコの四季がにじむ住まいは、これからも家族の暮らしを頼もしく包み続けることでしょう。
キッチン作業台のダイニング側はカウンター仕様。「料理や片付けをしながら子どもたちにご飯を食べさせることができ、とても重宝しています」
料理好きなAさんの要望で壁付けにしたキッチン。シンク前に開口を設けたことで目線が外へ抜け、開放的な家事空間に仕上がった。背面にはニレ材を用いた造作作業台を設置
公道側にある階段の吹き抜けにも、外部の視線を遮りながら、外部の景色が楽しめる採光窓を設置。スタディコーナーのカウンター前にも、ガラス越しに階段の吹き抜けと採光窓を望む開口を設えた
構造規模 木造(新在来工法)・2階建て
延床面積 115.51㎡(約35坪)
工事期間 令和5年5月~11月(約7ヵ月)
<外部>
屋根/ガルバリウム鋼板、外壁/道産スギ板張・モルタル金コテ塗り、建具/玄関ドア:木製断熱ドア、窓:樹脂サッシ
<内部>
床/道産ニレ無垢材、壁/しっくい塗壁、天井/環境壁紙
<充填断熱>
基礎/押出法ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/高性能グラスウール16㎏210㎜、屋根/セルローズファイバー350㎜
温水パネルヒーター・床暖房
<断熱性能>UA値:0.31W/㎡K
<気密性能>C値:0.20/㎡
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