愛犬と共に暮らす充実の日々を
リノベーションで実現
- 伊達市・Sさん宅
- 家族構成/本人60代
Replan北海道vol.113掲載
牧草地越しにキラキラと光る噴火湾が見えるSさんのセカンドハウス。奥さんの叔母さんからこの家を譲り受けたのは約10年前のことです。自宅のある小樽市から休日に訪れ、庭でビールを飲むには最高のロケーションでした。しかし昔ながらの建物で断熱性能が機能しておらず、冬はとても寒かったそう。早期退職をしてこの地でカフェ開業を決意したこともあり、思い切って1階部分をリノベーションすることにしました。
カフェスペースからは眺めを最大限楽しめるよう、空間の横幅いっぱいに窓を設置した
以前の排煙設備を利用してバルカンストーブのあった場所に薪ストーブを設置。ペチカとの相乗効果で家全体がぽかぽかに
工事は2回に分けて実施。1回目は床下環境の改善とカフェスペースへの変更にとどめ、残りの空間の改修は2回目に行いました。
「最初にカフェスペースだけリノベーションしたことで、断熱性能の改善でこんなにも暖かくなるのかと驚きました」とSさん。また木製サッシ、道産材のフローリング、道産スギ板の外壁が標準仕様というSUDOホームのクオリティにも感心したそうです。
プライベート用玄関。カフェスペース、セカンドリビングのどちらへも行きやすいバリアフリーに
Before
After:構造部分をむき出しにした結果生まれた、セカンドリビングの山小屋のような雰囲気はSさんのお気に入り
そしてちょうど2回目の改修を予定していた時期に、キャリアチェンジ犬のふくちゃんがSさんの家族に加わることに。ふくちゃんが多くの時間を過ごすセカンドリビングは多少の傷がついても目立たないよう、内装は構造部分を現しにして板張り仕上げにしました。Sさんは得意のDIYでふくちゃんの日中の居場所となるテラスをつくるなど、積極的に家づくりに参加。一方で、将来的に夫婦で移り住むことも想定し、1階部分はすべてバリアフリーとなっています。築34年の建物は2回のリノベーションを経て、寒さとは無縁で人にも愛犬にも優しい空間となりました。
Before
After:屋根はもともとステンレス板金を採用していたこともあって不具合がなく、2階部分は物置としてリノベーションせずに使用している
カフェのエントランス。入り口まではスロープになっており、内部にも段差はなし
カフェスペースの窓には折りたたみ式のオーニングを設置して陽射しをカット
床下の防湿と断熱性能アップ
リノベーション前の問題はとにかく床下。「もぐってみたら壁の内部結露による土台の腐朽とカビがひどく、排水管からは漏水がして臭いがしていました」と担当者。1階の床をすべて剥がし、土を入れ替え、防湿コンクリートを施工するという大掛かりな工事を実施。基礎断熱を丁寧に行ったうえで改めて床組みし、日中は薪ストーブ1台で1階部分全体が暖まるようになった。
床下・基礎工事の様子 ①既存床撤去 ②土砂入れ替え・防湿処理
③防湿コンクリート打設 ④基礎断熱材の施工
バリアフリー
プライベート用の玄関(写真右タイル部分)をはじめ、カフェスペース(写真奥)やセカンドリビング(写真手前)への動線もすべてフラットに。カフェの入り口もスロープになっており、リノベーションした1階部分には一切段差がない。トイレも含め将来を考えてバリアフリーにしたと話すSさんだが、「移動が本当にラクになりました」と今現在の暮らしやすさも圧倒的に向上。昔ながらの家は、いかに段差が多いかを実感したそう。
犬との暮らし
2回目の工事では犬と暮らすことを前提にプランが立てられた。漆喰やクロスではひっかき傷などが目立つので、ふくちゃんが1日の大半を過ごすセカンドリビングには外断熱を採用し、屋内はあえて構造部分をむき出しにして木の壁に。庭には大きい庇を設けることで、夏も快適に過ごせるようになった。テラス部分はSさんのDIYによるもの。レンガ産地として知られる江別市で格安で購入したレンガを並べ、イメージどおりのものが完成。