『定着長さ・被り厚さ・付着強度』
家づくりに興味のある方は、1度はこの言葉を見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
「聞いたことはあるけど、なんのこっちゃよく分からない」
そんな人の方が多いかもしれませんね。
SUDOの現場管理者は、何をどのようにチェックしているのか。
今回は現場担当Sが、基礎工事(特に鉄筋工事)のチェックポイントについてご紹介していきます。
SUDO-ホームの建主さんは「ウチの基礎は安心ね」っと思うこと間違いなし。
これから家づくりを始める方で、まだ建築会社を絞り切れていないという方へのアピールを兼ねてお届けします。
それでは、八軒PROJECT第3回目のスタートです。
前回で土工事が完了し、作業は鉄筋工事へと流れていきます。
敷地めいっぱいに建物が建つので作業する人はカニ歩きです。
鉄筋が組まれた状態はいつ見てもキレイです。
写真はあいにくの天候だったので伝わりにくいですが、
晴天でカラカラに乾いた土の上での基礎配筋の美しさ。自然と鉄筋のハーモニーは日本3景に引けを取らない美しさです。
「松島」「天橋立」「厳島」、そして「基礎の鉄筋」。
鉄筋が組み終わるとベース枠の取り付けをします。
八軒PROJECTはA棟・B棟と、2棟の建物をこの3人で枠を付けていきます。
さぁここからが基礎工事のお勉強会です。
講師を担当します現場担当のSです。どうぞよろしくお願い致します。
まずは設計図通りに鉄筋が組まれているか確認する作業から始まります。
「鉄筋の太さ・鉄筋の間隔」
こんな感じで写真に記録していきます。
定規がバッテンになっているのは「クロスロッド」というアイテム。
縦筋・横筋の間隔を1度で測定できる便利グッズです。
まずは設計図通りに鉄筋が組まれていることを確認して、次のチェックポイントにうつります。
続いてこちら。建物の角にあたる部分、平面形状でいう『L』字の部分です。
「長手方向の鉄筋」と「短手方向の鉄筋」の交点。
言い換えるなら、「あっちからくる鉄筋」と「こっちからくる鉄筋」がぶつかるカドっこの部分。
カドっこの部分は負荷がかかりやすいので、長手は長手・短手は短手、その交差する場所の鉄筋が繋がっていなければ、
地震等で大きな力が加わった時に基礎が壊れてしまいかねません。構造はウィークポイントから壊れていきます。
そこで強い基礎を作るために必要なのが「鉄筋の定着」
L型に折り曲げた鉄筋で長手方向と短手方向を相互に絡ませ、鉄筋を連続一体にするのがポイントです。
腕を組んで歩いているカップルかの如く、鉄筋が一体になることで強固な基礎を作ります。
それともう一つ重要なのが『定着長さ』
長手方向と短手方向の鉄筋をどのくらい(何cm)絡ませるか、というのが定着長さ。
この定着長さは『コンクリート強度(厳密にはコンクリートの設計基準強度)』と『鉄筋の太さ』によって変わってきます。
SUDO仕様では約46cm絡ませれば良いところ55cmも絡ませています。
カップルが腕を組むどころか肩までビッタリくっついているくらいの絡み具合です。それはもぉ誰にも引きはがすことは出来ませんよね。
ってことでこの定着長さも重要なチェックポイントです。
鉄筋の弱点、それは腐食によるサビです。
鉄筋をサビさせないことが強い基礎を作るのには欠かせません。
人体の肝臓や腎臓と同じくらい重要で、基礎においては鉄筋をサビさせないことこそがまさに『肝腎』です。
基礎の強度を維持するために必要なのが鉄筋の『被り厚さ』です。
被り厚さこそが鉄筋をサビから守る為の最善の手段です。
「Sさん。一体全体、鉄筋に何を被せるって言うんだい?」
いい質問です。基礎を構成するのは鉄筋とコンクリートです。
鉄筋がコンクリートにどれくらい被っているか。
カンガルーのお母さんがお腹の袋で赤ちゃんを守るかのごとく、コンクリートが鉄筋をサビるのを防いでくれます。
その被り厚さは、基礎の部位によって変わります。
例えば上の写真のように基礎の立ち上がり部分の被り厚さは「4cm以上」
お見事です。5cm以上の被り厚さが確保されていますね。これで鉄筋をサビから守ることができます。
こちらは基礎底盤部分の被り厚さをチェックしているところです。
立ち上がりの被り厚さは「4cm以上」ですが、基礎底盤は「6cm以上」の被り厚さが必要です。
もちろんクリアしています。
「・・・いや、鉄筋サビとるやん!」
ってことで欠陥住宅を疑われそうですが全く問題ありません。
「なんか、サビたらダメとかサビは問題ないとかずいぶん都合がよろしいですよね。」
っと言う声が聞こえてきそうですので、詳しく解説しましょう。
実は、サビが問題になるのは鉄筋の中までサビが進行した状態です。
写真のような表面のサビは、もーまんたいです。むしろ表面のサビは付着強度を高めてくれます。
「ふちゃくきょうどってなんですか?専門用語使って誤魔化そうとしていませんか?」
現場に到着したばかりの鉄筋は鉱油が施されているので油まみれで黒光っています。素手で触ったらとってもオイリー。
ところが現場で組み立てている内に鉱油が取れ、空気に触れることで表面にサビが発生します。
このサビがポイントです。
鉱油が付着したオイリーな鉄筋よりも、表面に程良くサビが発生している方がコンクリートと鉄筋が絡み合って付着強度が増加し結果的に強い基礎となります。
先程お伝えした通り、サビッサビでボロッボロの鉄筋はNGですよ。
そんなこんなで民間検査機関の検査員さんが1時間程かけてじっくりチェックしていきましたが、
1つの指摘事項も無く鉄筋検査を終えました。
こんな感じでSUDOの現場は高品質な家づくりを心がけています。
これから家づくりを始める方はぜひSUDO-ホームにお声掛けを!
と宣伝したところで、八軒PROJECTの3回目が終了です。
それではまた来週!